Laravelでアプリケーションを運用する際、.env
ファイルやサーバーで設定される環境変数のどちらが優先されるのか、気になるポイントを整理しました。
環境変数の優先順位
Laravelでは、サーバーの環境変数が.env
ファイルよりも優先されます。
具体的には、以下の順序で環境変数が処理されます:
- サーバーやOSレベルの環境変数
- Webサーバー(ApacheやNGINX)、Docker、CI/CDパイプラインなどで設定された環境変数が最優先されます。
- PHPの
putenv()
や$_SERVER
、$_ENV
を通じて動的に設定された値も含まれます。
.env
ファイル- Laravelの起動時に
.env
ファイルが読み込まれ、$_ENV
や$_SERVER
に値が設定されます。 .env
で設定された値は、サーバー環境変数に同じキーが存在しない場合にのみ適用されます。
- Laravelの起動時に
具体例
たとえば、以下の.env
ファイルがある場合:
APP_ENV=local
APP_DEBUG=true
APP_KEY=base64:abcd1234
そして、サーバー側で以下の環境変数を設定している場合:
export APP_ENV=production
export APP_DEBUG=false
この場合、アプリケーションのenv()
関数で取得される値は以下のようになります:
env('APP_ENV')
→production
(サーバー環境変数が優先)env('APP_DEBUG')
→false
(サーバー環境変数が優先)env('APP_KEY')
→base64:abcd1234
(.env
ファイルが使用される)
推奨事項
- セキュリティの観点から、APIキーやデータベースパスワードなどの機密情報はサーバー環境変数で管理することを推奨します。
- 開発環境では
.env
ファイルを利用し、本番環境ではサーバー環境変数を活用することで安全性と柔軟性を高められます。
確認方法
現在の環境変数の値を確認したい場合、以下の方法を使用します:
- アプリケーション内で確認
dd(env('APP_ENV')); // 環境変数の値をダンプ
- PHPの環境情報を確認
phpinfo(); // サーバー環境変数が確認可能
まとめ
- Laravelでは、サーバーの環境変数が
.env
よりも優先される設計になっています。 - サーバー環境変数を適切に設定することで、本番環境の安全性や管理性が向上します。
- 開発・本番環境で柔軟に運用するため、用途に応じた環境変数の管理が重要です。
これらを意識して、より安全で効率的な環境変数の管理を実現しましょう!