Rocky Linux 起動時のカーネルパラメーター rhgb quiet を理解しよう

Rocky Linuxを使っていると、GRUBの設定ファイルに記載されている rhgb quiet というカーネルパラメーターを目にすることがあります。この設定がどのような意味を持ち、どんな役割を果たしているのかを解説します。また、必要に応じてこの設定を削除する手順についても紹介します。


rhgb quiet とは?

rhgbquiet はLinuxカーネルに渡される引数(カーネルパラメーター)の一部です。それぞれ起動時の表示内容や挙動を制御する役割を持っています。

1. rhgb (Red Hat Graphical Boot)

  • 概要:
    rhgbRed Hat Graphical Boot の略で、起動時にグラフィカルなスプラッシュ画面を表示するためのオプションです。これにより、起動中のシステムログやサービスの状態表示が隠れ、ユーザーにはシンプルな画面が表示されます。
  • 影響:
    起動時にシステムロゴや進捗バーが表示され、ログメッセージが見えなくなります。

2. quiet

  • 概要:
    起動時に表示されるカーネルメッセージやサービスのログを非表示にします。重要なエラーや致命的なメッセージのみが出力されます。
  • 影響:
    起動中の詳細なログが抑制され、画面がシンプルになりますが、問題発生時に原因を特定するのが難しくなることがあります。

rhgb quiet の組み合わせ

これらが組み合わさると、起動時にグラフィカルなスプラッシュ画面だけが表示され、詳細なログメッセージは完全に隠れる設定になります。


rhgb quiet を削除するメリット

rhgbquiet を削除すると、システム起動中に次のような詳細ログを確認できるようになります。

例:

Starting NetworkManager...
[ OK ] Started NetworkManager.
[ OK ] Reached target Basic System.

この設定変更は、以下のような場合に役立ちます:

  • トラブルシューティング:
    起動中の問題を確認・解決する際に、詳細なログが見えることで原因を特定しやすくなります。
  • 起動プロセスの理解:
    起動時にどのサービスが動作しているかを把握できます。

一方で、通常の使用では特に気にする必要がないため、グラフィカルなスプラッシュ画面を残したい場合は変更しなくても問題ありません。


rhgb quiet を削除する手順

1. 現在のGRUB設定を確認

まず、現在のGRUB設定を確認します。

cat /etc/default/grub

出力例:

GRUB_CMDLINE_LINUX="crashkernel=auto resume=/dev/mapper/rl-swap rd.lvm.lv=rl/root rd.lvm.lv=rl/swap rhgb quiet"

この中の rhgb quiet を削除します。


2. GRUB設定を編集

以下のコマンドで設定ファイルを開きます。

sudo vi /etc/default/grub

次の行を探して編集します:

GRUB_CMDLINE_LINUX="crashkernel=auto resume=/dev/mapper/rl-swap rd.lvm.lv=rl/root rd.lvm.lv=rl/swap rhgb quiet"

変更後

GRUB_CMDLINE_LINUX="crashkernel=auto resume=/dev/mapper/rl-swap rd.lvm.lv=rl/root rd.lvm.lv=rl/swap"

3. GRUB設定を更新

編集が終わったら、GRUB設定を再生成します。

BIOS環境の場合:

sudo grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg

UEFI環境の場合:

sudo grub2-mkconfig -o /boot/efi/EFI/rocky/grub.cfg

4. 再起動

最後に、システムを再起動して設定を反映します。

sudo reboot

まとめ

  • rhgbquiet は、起動時のログや画面表示をシンプルにするためのカーネルパラメーターです。
  • 削除する理由:
    • 起動時の詳細なログを確認したい場合。
    • 問題発生時にトラブルシューティングを容易にしたい場合。
  • 削除手順:
    1. /etc/default/grub を編集して rhgb quiet を削除。
    2. GRUB設定を再生成して再起動。

システムの運用目的に応じて、この設定を活用してください!

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