BigQueryはSQLライクなインターフェースを提供していますが、MySQLとは使い方が若干異なります。データの管理方法や設計がBigQuery特有の仕組みに基づいており、データベースの構築やテーブルの管理の流れも少し異なります。以下に違いを詳しく説明します。
基本的な使い方の流れ
1. MySQLの流れ
MySQLでは以下の順序で操作します:
- データベースを作成
CREATE DATABASE my_database;
- テーブルを作成
CREATE TABLE my_table ( id INT AUTO_INCREMENT PRIMARY KEY, name VARCHAR(255), created_at DATETIME );
- データを挿入
INSERT INTO my_table (name, created_at) VALUES ('John', NOW());
- データをクエリで取得
SELECT * FROM my_table;
2. BigQueryの流れ
BigQueryでは、少し異なる概念でデータを管理します:
- プロジェクトを作成
- BigQueryの最上位概念は「プロジェクト」です。プロジェクトごとにリソースを管理します。
- Google Cloud Consoleでプロジェクトを作成します。
- データセットを作成
- BigQueryでは「データセット」がデータベースの役割を果たします。
- 例:
my_project.my_dataset
- データセットの作成はGUIやCLIで行えます。
- テーブルを作成
- データセット内にテーブルを作成します。
- 例:
CREATE TABLE my_project.my_dataset.my_table ( id INT64, name STRING, created_at TIMESTAMP );
- データを挿入
- BigQueryではデータの挿入は主にバッチ処理やデータインポート機能で行います。
- 小規模データの場合:
INSERT INTO my_project.my_dataset.my_table (id, name, created_at) VALUES (1, 'John', CURRENT_TIMESTAMP());
- 大規模データの場合:
- CSVやJSONをGoogle Cloud Storageにアップロードし、テーブルにロードします。
- データをクエリで取得
- クエリはMySQLとほぼ同じ構文で記述できます:
SELECT * FROM my_project.my_dataset.my_table;
- クエリはMySQLとほぼ同じ構文で記述できます:
BigQueryとMySQLの違い
項目 | MySQL | BigQuery |
---|---|---|
データベース | データベース(CREATE DATABASE で作成) | データセットがデータベースに相当 |
テーブル | テーブルを作成し、データを直接挿入 | テーブル作成後、データは主にバッチでインポート |
スキーマ変更 | 動的(ALTER TABLEが容易) | テーブル作成時にスキーマを固定(変更は非推奨) |
クエリ速度 | 単一ノードのパフォーマンス | 分散システムで大規模データを高速処理 |
データサイズ | 数十GB~数百GB程度が適している | 数百GB~ペタバイト規模でも高速処理可能 |
トランザクション | ACIDトランザクションをサポート | トランザクションは非対応(分析に特化) |
価格モデル | サーバー維持費(月額や時間課金) | ストレージ+クエリ従量課金(使った分だけ) |
まとめ
- BigQueryの基本的な操作は、MySQLの「データベース」や「テーブル」に似ていますが、プロジェクトやデータセットという概念が加わっています。
- 大量データの分析に特化しており、データの挿入方法もバッチ処理やクラウドストレージ経由が一般的です。
- クエリはMySQLとほぼ同じように記述できるため、SQLに慣れているなら移行は簡単です。
小規模アプリケーションでトランザクションを必要とする場合はMySQL、大規模なデータ分析を必要とする場合はBigQueryが適しています。