QNAP RAIDのリビルド状況の確認方法と、リビルド速度の変更方法

RAIDのリビルド状況の確認方法

1. SSHでQNAPに接続

  • SSHクライアント(例:PuTTY、Terminal)を使用し、管理者アカウントでQNAPにログインします。

2. リビルドの進行状況を確認

  • 以下のコマンドを実行して、RAIDの状態とリビルドの進行状況を確認します。
  cat /proc/mdstat
  • 出力例:
  [~] # cat /proc/mdstat
  md1 : active raid5 sda3[0] sdb3[1] sdc3[2]
        585583680 blocks super 1.2 level 5, 64k chunk, algorithm 2 [3/3] [UUU]
        [===>.................]  resync = 20.0% (117116736/585583680) finish=50.0min speed=195000K/sec
  • resync 部分でリビルドの進行状況と速度が確認できます。

3. RAIDアレイの詳細情報を確認(オプション)

  • 特定のRAIDアレイの詳細情報を確認するには、以下のコマンドを使用します。
  mdadm --detail /dev/md1
  • /dev/md1 は対象のRAIDデバイス名に置き換えてください。

RAIDのリビルド速度の変更方法

リビルド速度は、システム全体または特定のRAIDアレイごとに設定できます。

方法1: システム全体のリビルド速度を変更

1. 現在の設定を確認

cat /proc/sys/dev/raid/speed_limit_min
cat /proc/sys/dev/raid/speed_limit_max
  • speed_limit_min: リビルドの最小速度(KB/秒)
  • speed_limit_max: リビルドの最大速度(KB/秒)

2. リビルド速度を設定

  • リビルド速度の最小値を増やすことで、速度を向上させます。
  echo 100000 > /proc/sys/dev/raid/speed_limit_min
  • 上記では、最小速度を100,000 KB/秒(約100 MB/秒)に設定しています。
  • 必要に応じて最大値も設定できます。
  echo 10000000 > /proc/sys/dev/raid/speed_limit_max

3. 設定が適用されたか確認

cat /proc/sys/dev/raid/speed_limit_min
cat /proc/sys/dev/raid/speed_limit_max

方法2: 特定のRAIDアレイのリビルド速度を変更

1. 現在の設定を確認

cat /sys/block/md1/md/sync_speed_min
cat /sys/block/md1/md/sync_speed_max
  • /sys/block/md1/md/ は対象のRAIDデバイスに置き換えてください。

2. リビルド速度を設定

  • 特定のRAIDアレイのリビルド速度を設定します。
  echo 200000 > /sys/block/md1/md/sync_speed_min
  • 上記では、md1 の最小速度を200,000 KB/秒(約200 MB/秒)に設定しています。
  • 最大速度を設定する場合:
  echo 10000000 > /sys/block/md1/md/sync_speed_max

3. 設定が適用されたか確認

cat /sys/block/md1/md/sync_speed_min
cat /sys/block/md1/md/sync_speed_max

注意事項

  • システム負荷に注意: リビルド速度を上げると、CPUやディスクI/Oの負荷が増加します。他のサービスへの影響を考慮して設定してください。
  • 設定の永続化: 再起動後も設定を維持するには、起動スクリプトに設定コマンドを追加する必要があります。ただし、QNAPのシステムでは再起動やファームウェア更新で設定がリセットされる可能性があります。
  • 例: echo "echo 100000 > /proc/sys/dev/raid/speed_limit_min" >> /etc/rc.local echo "echo 200000 > /sys/block/md1/md/sync_speed_min" >> /etc/rc.local
  • システムのパフォーマンスを監視: topiostat コマンドでシステムの負荷を監視し、必要に応じてリビルド速度を調整してください。
  • ディスクの健康状態を確認: smartctl コマンドでディスクのS.M.A.R.T情報を確認し、問題がないかチェックしてください。

これらの手順で、RAIDのリビルド状況を確認し、リビルド速度を調整することができます。システムの状態を適宜確認しながら、安全に作業を進めてください。

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