はじめに
QNAP NASでNFSサービスを使用している場合、何らかの理由でサービスを再起動したり、設定を変更したりする必要が生じることがあります。今回は、NFSサービスの再起動方法と、それに伴う注意点について解説します。
NFSサービスの再起動手順
NFSサービスの再起動は、QNAP管理画面から行う方法と、SSHを使ってコマンドラインで行う方法の2通りがあります。
1. QNAP管理画面から再起動
QNAPの管理画面にアクセスし、以下の手順でNFSサービスを再起動することが可能です。
- コントロールパネルにアクセスします。
- ネットワークとファイルサービス > Win/Mac/NFS の順に移動します。
- NFS タブを選択し、NFSサービスを有効にするのチェックを一旦外して数秒待ち、再びチェックを入れて再起動します。
2. SSHから再起動
より詳細な操作が必要な場合、SSHでQNAPに接続してコマンドを実行することができます。
- SSHでQNAPにログインします。
- 以下のコマンドでNFSサービスを再起動します。
/etc/init.d/nfs restart
よくあるエラーメッセージと対応策
NFSの再起動中に、次のようなメッセージが表示されることがあります。
Shutting down NFS services: OK
umount: /var/lib/nfs/rpc_pipefs/: not found
Starting NFS services: re-export.
Shutting down NFS mountd:
Starting NFS mountd. Mountd port number = 30000.
OK
このメッセージから、/var/lib/nfs/rpc_pipefs
がアンマウントできないというエラーが含まれていることがわかります。このエラーについて詳しく説明します。
エラーの原因
umount: /var/lib/nfs/rpc_pipefs/: not found
というエラーは、rpc_pipefs
がすでにアンマウントされている、またはマウントされていない状態でアンマウントを試みたために発生しています。このエラーは通常、NFSサービスの再起動自体には影響を与えませんが、気になる場合は以下の対応策を試すことができます。
エラー解消のための対応策
rpc_pipefs
の状態を確認:
- SSHで以下のコマンドを実行し、
rpc_pipefs
がマウントされているかどうかを確認します。mount | grep rpc_pipefs
何も出力されない場合は、rpc_pipefs
はマウントされていません。
rpc_pipefs
の再マウント:
- 以下のコマンドで
rpc_pipefs
を手動でマウントします。mount -t rpc_pipefs rpc_pipefs /var/lib/nfs/rpc_pipefs
これにより、将来の再起動時に同じエラーメッセージが表示されなくなる可能性があります。
- サービスの正常性を確認:
- NFSサービスが正常に動作しているか確認するために、以下のコマンドを実行してエクスポートの状態をチェックします。
showmount -e localhost
ここでエクスポートされている共有フォルダが表示されれば、NFSサービスは正しく動作しています。
結論
NFSサービスの再起動は、管理画面とSSHのどちらからでも行うことができます。umount: /var/lib/nfs/rpc_pipefs/: not found
というエラーは警告のようなもので、通常NFSサービスの動作に大きな影響を与えるものではありません。気になる場合は、rpc_pipefs
を手動でマウントすることで解決できます。
NFSの運用において重要なのは、再起動後にサービスが正常に動作していることを確認することです。問題が発生した場合は、エラーメッセージの詳細やシステムログを確認することで、原因の特定と解決に役立てましょう。
以上が、QNAPでのNFS再起動についてのまとめです。ぜひ参考にしてください。