utf8mb4_general_ci
、utf8mb4_unicode_ci
、utf8mb4_unicode_520_ci
の違いと、日本語のデータを扱う際にどれを選ぶべきかについて説明します。
1. utf8mb4_general_ci
- 特徴: 照合順序が比較的単純で、速度を重視していますが、一部の特殊文字の比較が正確ではない場合があります。多くの言語で十分に使用できますが、アクセントの違いや特殊な文字区別に関しては不正確です。
- メリット: パフォーマンスが良い。
- デメリット: 精度が低く、日本語の正確な並び替えには適していません。
2. utf8mb4_unicode_ci
- 特徴: Unicode標準に基づいた照合順序で、言語特有の文字を正確に処理します。多言語対応であり、日本語も適切に処理できます。
- メリット: 幅広い言語に対応し、正確な文字比較が可能。
- デメリット: 一部の新しいUnicode文字はサポートされていない場合があります。
3. utf8mb4_unicode_520_ci
- 特徴: Unicode 5.2.0標準に基づいており、
utf8mb4_unicode_ci
よりも新しいバージョンです。これにより、より多くのUnicode文字や最新の言語サポートが追加されています。 - メリット: より正確な文字比較と新しいUnicode文字のサポート。
- デメリット:
utf8mb4_unicode_ci
よりも若干のパフォーマンス低下がある場合がありますが、通常は無視できる程度です。
日本語データを扱う場合の選択
日本語を扱う場合は、utf8mb4_unicode_ci
またはutf8mb4_unicode_520_ci
を使用するのが最適です。どちらも日本語の文字を正確に扱えますが、特に将来的な互換性や新しいUnicode文字のサポートを考慮するなら、utf8mb4_unicode_520_ci
を選ぶのが良いでしょう。
結論
- 一般的なパフォーマンス重視:
utf8mb4_general_ci
- 高い互換性と正確性:
utf8mb4_unicode_ci
- 最新のUnicode対応と正確性:
utf8mb4_unicode_520_ci
(推奨)
utf8mb4_unicode_520_ci
を選択すれば、日本語の文字の正確な比較や並び替えに対応できます。
utf8mb4_ja_0900_as_cs
と utf8mb4_ja_0900_as_cs_ks
utf8mb4_ja_0900_as_cs
と utf8mb4_ja_0900_as_cs_ks
は、MySQL 8.0以降でサポートされている、日本語に特化した照合順序(コレーション)です。これらはUnicode 9.0に基づいており、日本語の特性を考慮した照合を行います。
各照合順序の意味
- utf8mb4_ja_0900_as_cs
- ja: 日本語に特化した照合順序であることを示しています。
- 0900: Unicode 9.0に基づいていることを表します。
- as: 「Accent Sensitive(アクセントを区別する)」の略。アクセントの違いを考慮して文字を比較しますが、日本語ではアクセントの概念はあまり重要ではないため、実質的に大きな影響はありません。
- cs: 「Case Sensitive(大文字小文字を区別する)」の略。文字の大文字と小文字を区別します。
- utf8mb4_ja_0900_as_cs_ks
- ks: 「Kana Sensitive(仮名を区別する)」の略。カタカナとひらがなを区別します。例えば、「あ」と「ア」を異なる文字として扱います。
適用シーン
- utf8mb4_ja_0900_as_cs: 大文字小文字を区別した比較を行いたいが、カタカナとひらがなを区別しない場合に使用します。
- utf8mb4_ja_0900_as_cs_ks: 大文字小文字の区別に加えて、カタカナとひらがなも区別したい場合に使用します。
日本語データを扱う場合の選択
日本語を扱う際に、カタカナとひらがなを区別する必要がある場合は、utf8mb4_ja_0900_as_cs_ks
が適しています。一方、カタカナとひらがなを区別しない場合は、utf8mb4_ja_0900_as_cs
を選択します。
結論
日本語データの精密な処理が必要な場合、これらの照合順序を選ぶとよいでしょう。例えば、ユーザー名の重複確認で「さくら」と「サクラ」を区別したい場合は、utf8mb4_ja_0900_as_cs_ks
を使用します。より柔軟な運用を求める場合は、utf8mb4_ja_0900_as_cs
を選ぶのが適切です。
utf8mb3とは
utf8mb3: utf8mb3
はMySQLの古いバージョンのUTF-8エンコーディングで、最大3バイトの長さの文字をサポートします。実際には、基本的なマルチバイト文字(例えば、ラテン文字、ギリシャ文字、キリル文字、漢字など)をサポートしていますが、絵文字などの4バイト文字はサポートしていません。