🔍 ローカルIPアドレスとは?
ローカルIPアドレスとは、家庭や社内LAN(ローカルエリアネットワーク)内で使われるIPアドレスのことです。インターネット上の通信には直接使われず、ルーターなどのネットワーク機器でNAT(アドレス変換)されて外部と通信します。
📦 プライベートIPアドレスの範囲(RFC1918)
インターネット技術標準「RFC1918」によって、以下の3つのIPアドレス範囲がローカル(プライベート)用として定義されています。
クラス | 範囲 | CIDR表記 | 用途例 |
---|---|---|---|
A | 10.0.0.0 ~ 10.255.255.255 | 10.0.0.0/8 | 大規模企業ネットワークなど |
B | 172.16.0.0 ~ 172.31.255.255 | 172.16.0.0/12 | VPN、Dockerなど |
C | 192.168.0.0 ~ 192.168.255.255 | 192.168.0.0/16 | 家庭用ルーターなど |
☝️ 注意:
172.0.0.0 ~ 172.15.255.255
や172.32.0.0
以降はグローバルIPアドレスの可能性があるため、ローカルとは限りません。
🖥 ローカルIPアドレスの用途
- 家庭や社内の端末同士の通信(プリンタ、NASなど)
- インターネット接続時の内部IP管理
- Docker、Kubernetes などの仮想ネットワーク構築
- VPNのクライアントIPアドレス割当
🛠 ローカルIPアドレスの確認方法
🔹 Windowsの場合
ipconfig
🔹 Linux / macOSの場合
ip a
🌐 ローカルIPとグローバルIPの違い
項目 | ローカルIP | グローバルIP |
---|---|---|
接続範囲 | LAN内 | インターネット全体 |
一意性 | LAN内で一意 | 世界中で一意 |
割当方法 | ルーターなどが自動割当(DHCP) | プロバイダから割当(固定/動的) |
セキュリティ | 外部から直接アクセス不可 | 外部から到達可能(要制御) |
💡 よくある誤解
- すべての 172.x.x.x がローカルIPではない!
→ ローカルIPなのは172.16.0.0 ~ 172.31.255.255
のみです。 - ローカルIPはインターネットに直接アクセスできない
→ NAT変換により、ルーターを通じてアクセスします。
🧩 関連知識
- NAT(Network Address Translation)
ローカルIPとグローバルIPを変換して、複数の端末が1つのグローバルIPで通信できる仕組み。 - DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)
IPアドレスなどのネットワーク設定を自動的に割り当てるプロトコル。
📝 まとめ
ローカルIPアドレスは、家庭や社内ネットワークの基盤として欠かせない存在です。セキュリティやネットワーク設計の基本として、その範囲や用途を正しく理解しておくことが大切です。